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ジブリ作品の中でも異色の作品です。以前は終戦の時期になると地上波でも放送されていましたが、2018年以降放送されていないのだとか。私は戦争を体験していませんが、親世代はダイレクトに終戦直後を生きていたこともあり、祖母からも当時の話を、体験談として時折聞かされたものです。それは現実味の湧かない、どこか遠い国の話のようであり、作り話や、今風に(盛ってる話)のように感じていましたが、この【火垂るの墓】を見てからは祖母や母親達が、何も大袈裟に語っていなかったこと、それどころか話を優しめに語っていたであろうことが、大人になり想像できるようになりました。うちの親は九州の長崎が出身で祖母などは、戦時中は親戚を頼って五島列島などに疎開していたそうです。身内や知人の中にも被爆された方も多くいたとか、国から何の補償得られずに他界された方も多いのだとか、当時は被爆して異常をきたした事自体を証明することも難しかったと聞かされました。悲しく民間人には抗えない現実が多く辛い時代を生き抜いたのだと、今では理解できます。この火垂るの墓ではその時代背景や、弱い立場の者が生き抜くには辛すぎた現実を突きつけられますが、一度も見たことがない若い世代の方達にこそ一度は見てほしいと強く思う作品です。

近年、火垂るの墓がNetflixなどで配信されることにより多くの外国人が、この映画を視聴することが可能になったことで、その感想などがSNSで見られるようになって来ましたので、海外の反応などもご紹介したいと思います。
【火垂るの墓】に対する海外の反応と考察
1. 『火垂るの墓』の概要
公開年:1988年
監督:高畑勲
制作:スタジオジブリ
原作:野坂昭如の同名小説(実体験に基づく)
『火垂るの墓』は、第二次世界大戦末期の日本を舞台に、戦争孤児となった兄妹・清太と節子の過酷な運命を描いたアニメ映画です。戦争の悲劇をリアルに伝える作品として、国内外で高く評価されています。
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2. 海外の反応(一般的な評価)
(1) 圧倒的に「感動した」「悲しすぎる」という声が多い
「人生で最も泣いた映画」(涙なしでは見られない)
「二度と観たくないけど、傑作」(強烈な感情を揺さぶられる)
「戦争映画なのに、戦闘シーンがほぼないのが衝撃的」(戦争の”結果”を描く視点)
多くの海外視聴者が、「精神的に辛すぎる」と感じる作品になっています。

(2) 「これは反戦映画ではない」という意見
一般的に反戦映画は、「戦争の残虐さや無意味さを訴える」作品が多い。
例:『プライベート・ライアン』『フルメタル・ジャケット』などは、兵士や戦闘の視点から描く。
【火垂るの墓】は、戦争の直接的な描写は少なく、民間人(特に子ども)がどのように影響を受けるかを描いている。
そのため、「戦争の悲惨さを描いているが、明確なメッセージがない」という意見もある。
(3) 「清太の選択」に対する海外の評価の違い
日本では「清太の甘さ・プライドの高さが兄妹を死なせた」という批判もある。
海外では「彼は犠牲者だ」という意見が多い。
擁護派(特に欧米)
「彼はまだ14歳の少年だった。大人ならできた選択を、彼に求めるのは酷だ。」
「戦争で大人の保護を失った子どもが生き延びるのはほぼ不可能。」
「伯母に頼るべきだったというが、彼女の態度は酷すぎる。
批判派(特に日本や一部のアジア圏)
「清太は働く道を探すべきだった。」
「戦争中、家族のためにどんな手でも尽くすのが普通だった。」
「日本の社会では『個人より共同体』が重要だが、清太はそれを拒否した。」
文化的な違いが影響しており、個人主義の欧米では「清太は子どもであり、責めるべきでない」とされるが、日本では「彼の行動は未熟」と見る傾向がある。
(4) 「伯母の態度」に対する意見の違い
欧米:「伯母が冷酷すぎる。戦時中でも、家族ならもっと助け合うべきだった。」
日本:「伯母の態度は戦時中なら普通だった。物資が不足し、家族同士でも冷たくなっていた。」
「家族」の考え方の違いが反映されている。
(欧米では「血縁があれば助けるべき」、日本では「役に立たない者を養う余裕はない」)
(5) 「戦争責任」の視点(国による違い)
アメリカやイギリス:「日本が戦争を始めた側なのに、あたかも『被害者』のように描くのは問題では?」
日本やアジア:「戦争責任の話ではなく、『一般市民がどう苦しんだか』を描いた作品。」
「戦争の加害者と被害者」という視点が、国によって異なるため、一部の海外視聴者は「日本の戦争責任を無視している」と感じることもある。
3. 考察:『火垂るの墓』が海外で評価される理由
(1) 「子ども目線の戦争映画」は珍しい
多くの戦争映画は兵士や戦闘を描くが、『火垂るの墓』は戦争に巻き込まれた民間人を主題にしている。
「戦争の悲惨さ」を、大人ではなく子どもを通して見ることで、より感情的に響く。
(2) スタジオジブリの影響力
世界的に有名なジブリ作品の一つであり、「宮崎駿の明るい作品と対照的なジブリ映画」として興味を持つ人が多い。
ジブリファンが「他のジブリ作品のつもりで観たら、トラウマになった」という声も多い。
(3) 戦争の普遍的なテーマ
日本だけでなく、どの国でも「戦争によって苦しむのは民間人」という事実は共通。
第二次世界大戦に関わった国々の視聴者にとっても、強く共感できる作品。
4. 結論:「感動するが、二度と観たくない」作品
海外の一般的な評価
「戦争の悲惨さを痛感する映画」
「アニメなのに、実写よりもリアルな感情を描いている」
「誰にでも響く普遍的なメッセージを持つ」
ただし、「重すぎる」「辛すぎる」と感じる人が多い
「人生で最も悲しい映画だが、もう二度と観たくない。」
「観終わった後、しばらく立ち直れない。」
「他のジブリ作品を期待したら、精神的にやられた。」
「アニメで魂が崩壊するとは思わなかった」
【火垂るの墓】は、「大切な映画だが、気軽に観るものではない」と考える海外視聴者が多い。
5. まとめ
海外でも「感動した」「涙が止まらない」と高評価。
「清太の選択」や「伯母の態度」に対する意見は国によって異なる。
「反戦映画」というより、「戦争の被害を描いた作品」と捉えられる。
「観るべき作品」だが、「精神的にきついので、繰り返し観るのは難しい」という評価が多い。
『火垂るの墓』は、文化や国籍を超えて、多くの人々の心を打つ映画として、今後も語り継がれる作品だと思います。私は無類の映画好きなので、邦画、洋画問わず沢山の作品を見ています、戦争映画も沢山ですが(火垂るの墓は)日本人にしか表現できない作品だと思っています。今回も最後まで見ていただきありがとうございます。